造血幹細胞移植の多様性に迫る 質の高い治癒を目指したアプローチ
造血幹細胞移植後合併症へのアプローチ 造血幹細胞移植における精神心理的問題
赤穂 理絵
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 神経科
キーワード:
患者教育
,
心理的ストレス
,
生活の質
,
せん妄
,
不安
,
リハビリテーション
,
造血幹細胞移植
,
患者心理
,
精神的援助
Keyword:
Anxiety
,
Delirium
,
Patient Education as Topic
,
Quality of Life
,
Rehabilitation
,
Stress, Psychological
,
Hematopoietic Stem Cell Transplantation
pp.303-306
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009299260
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移植期間中には、身体症状がきつくなるにつれて心理的つらさも増す。患者の不安にはスタッフ側から察しをつけて繰り返し説明することや、自己コントロール感喪失には患者自身の治療参加意識を促すなどの働きかけが必要である。移植体験者からの情報、ストレス対処法を事前に伝えるpatient educationも有用である。移植期間中に合併する精神疾患としては、低活動型せん妄の増加が指摘されている。移植後の心理社会的問題としては、身体機能関連QOLの低下、再発への不安を抱えながらの社会復帰の困難さが浮き彫りになる。患者が"移植後の自分"という新しいアイデンティティを築いていくには、家族、職場をはじめ周囲の理解度が大きな鍵となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009