発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247967
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56歳女。成人Still病の診断でprednisolone内服を継続中、定期検査で肝機能異常を認めた。入院時の検査所見はAST 609U/L、ALT 1474U/L、LDH 772U/Lと上昇し、腎機能と電解質に異常はなく、フェリチンとCRPは軽度上昇、抗核抗体と抗ミトコンドリア抗体は陰性であった。B型肝炎ウイルス(HBV)関連検査では、HBs抗原、HBe抗原、HBV-DNAは陰性、抗HBs抗体、抗HBe抗体、抗HBc抗体が陽性と既感染のパターンを示した。抗HBs抗体価は肝機能悪化前と比較して10倍以上に上昇していた。エコー下肝生検を施行したところ、肝実質を中心としたリンパ球の浸潤と肝細胞壊死、肝細胞索の不整を認め、門脈域は軽度拡大していた。明らかな線維化はなかった。HBVの再活性化を考え、entecavirの投与を開始した結果、ASTとALTは速やかに低下し、20日目には正常となった。抗HBs抗体価も徐々に低下し、2ヵ月の経過で退院した。なお、成人Still病は安定していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009