脂質異常症 基本を踏まえた実践
こんな病態にはどうすべきか? 虚血性心疾患
松森 理枝
1
,
大村 寛敏
,
代田 浩之
1順天堂大学 循環器内科
キーワード:
LDL Cholesterol
,
臨床試験
,
EBM
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
基準値
,
心筋虚血
,
多施設共同研究
,
二次予防
,
Ezetimibe
Keyword:
Ezetimibe
,
Clinical Trials as Topic
,
Cholesterol, LDL
,
Reference Values
,
Multicenter Studies as Topic
,
Myocardial Ischemia
,
Evidence-Based Medicine
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Secondary Prevention
pp.86-91
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072544
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虚血性心疾患の二次予防における脂質低下療法、とくにLDLコレステロール(LDL-C)低下療法が致死性、および非致死性冠動脈イベントのリスクを軽減させることは、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)を用いた大規模臨床試験により明らかにされている。最近では、急性冠症候群に対する発症早期からのスタチン投与の安全性と冠動脈イベント抑制効果も報告され、イベント発症直後から慢性期の安定した虚血性心疾患まで、厳格なLDL-C管理の重要性が明確にされた。しかし、管理目標値に関するエビデンスは十分とはいえず、とくに二次予防における高リスク患者に対するLDL-C管理目標値は、わが国と米国では異なる。また一方では、LDL-C管理目標値未満である症例が少なくないことも事実である。本稿では、LDL-C低下療法による二次予防臨床試験を概説し、LDL-C管理目標値を推考するとともに、治療薬剤の選択についても解説したい。
©Nankodo Co., Ltd., 2009