感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
まれに経験される疾患における抗菌薬の使い方 こんなときに思いついて ステロイド薬や生物学的製剤投与中の感染症
天野 宏一
1
1埼玉医科大学総合医療センター リウマチ・膠原病内科
キーワード:
リステリア症
,
Steroids
,
感染
,
抗感染剤
,
生物学的製剤
,
肺炎-ニューモシスチス
,
非結核性抗酸菌症
,
免疫抑制剤
,
薬物相互作用
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Biological Products
,
Drug Interactions
,
Immunosuppressive Agents
,
Infection
,
Listeriosis
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Pneumonia, Pneumocystis
,
Steroids
pp.914-917
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377917
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中等量以上のステロイド薬投与では、あらゆる感染症の合併に注意し、結核、ニューモシスチス肺炎(PCP)のハイリスク者には予防策を講じる。ciclosporin,tacrolimus投与中は抗菌薬との相互作用に注意する。抗TNF製剤により結核、非結核性抗酸菌症(NTM)、PCPが増加する。結核はスクリーニングを徹底し、ハイリスク者にはINHの予防内服を行う。帯状疱疹の増加、B型肝炎の劇症化、慢性活動性EBV感染症、進行性多巣性白質脳症(PML)など、潜在ウイルスの再活性化も今後問題になると思われる。肺炎球菌感染症やインフルエンザは、ワクチンによる予防が推奨される。
©Nankodo Co., Ltd., 2008