感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
日常的な診療における抗菌薬の使い方 エンピリックな抗菌薬の使い方と落とし穴 皮膚軟部組織感染症における抗菌薬
康井 真帆
1
,
比留間 政太郎
1順天堂大学医学部附属練馬病院 皮膚・アレルギー科
キーワード:
抗感染剤
,
ショック-敗血症性
,
膿皮症
,
皮膚疾患-感染性
,
軟部組織感染症
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Pyoderma
,
Shock, Septic
,
Skin Diseases, Infectious
,
Soft Tissue Infections
pp.884-887
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377910
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皮膚細菌感染症は、急性膿皮症、慢性膿皮症、全身性感染症、その他に分けられる。原因菌は、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、緑膿菌、グラム陽性菌、グラム陰性菌などである。急性膿皮症の原因菌は、多くが黄色ブドウ球菌で、多剤耐性である可能性が高い。第一選択はβ-ラクタム系薬である。4日間経っても効果がなければ抗菌薬を変更する。MRSAが想定される場合は、β-ラクタム系薬とfosfomycin(FOM)を併用するか、minocycline(MINO)かフルオロキノロン系薬を使用する。トキシックショック症候群ではsulbactam/ampicillin(SBT/ABPC)点滴、MRSAが分離されたときは抗MRSA薬の経静脈的投与を行う。アトピー性皮膚炎の二次感染は、入院例では約90%でMRSAに菌交代するといわれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008