膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
膵癌に対するinterventional oncology 膵癌に対する動注化学療法
松村 祐志
1
,
須山 正文
,
窪川 良廣
,
崔 仁換
,
渡辺 純夫
1順天堂大学 医学部消化器内科
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
肝臓腫瘍
,
抗腫瘍剤
,
膵臓腫瘍
,
生存率
,
塞栓術
,
治療成績
,
Gemcitabine
,
TS-1
,
動脈内投与
,
リザーバー
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Embolization, Therapeutic
,
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
Liver Neoplasms
,
Pancreatic Neoplasms
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Gemcitabine
pp.688-695
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338456
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近年、膵癌に対する動注化学療法は、肝転移巣のみならず原発巣治療にも有用性があるといわれている。今回、当科において切除不能膵癌、とくに肝転移を伴ったStage IVb膵癌に対して、原発巣および肝転移巣を同時に局所制御する膵周囲動脈塞栓術と、血流改変術後のリザーバー動注化学療法を14例に行った。治療成績は、評価可能であった13例中partial response(PR)が4例で奏効率は30.1%で、生存期間中央値(median survival time:MST)は9ヵ月、1年生存率は47%で、平均生存期間は15.5ヵ月であった。最長は51ヵ月で、現在も外来加療中である。本治療法は技術的に複雑ではあるが、長期生存も期待でき、切除不能膵癌に対する治療法の選択肢の一つと考えている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008