膵癌の外科治療は進歩したか
補助療法 術後補助療法の現状
阪本 良弘
1
,
小菅 智男
,
奈良 聡
,
江崎 稔
,
島田 和明
,
上野 秀樹
,
奥坂 拓志
1国立がんセンター中央病院
キーワード:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
膵臓腫瘍
,
生存率
,
多剤併用療法
,
アジュバント化学療法
,
ランダム化比較試験
,
Gemcitabine
,
放射線化学療法
Keyword:
Cisplatin
,
Fluorouracil
,
Drug Therapy, Combination
,
Pancreatic Neoplasms
,
Survival Rate
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Chemoradiotherapy
,
Gemcitabine
pp.660-664
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008227111
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膵癌の術後補助療法は有用であるとするエビデンスレベルの高いランダム化比較試験(RCT)は少ない。1985年にGITSGが化学放射線療法の有用性を小規模なRCTによって報告して以来、米国では化学放射線療法を中心に補助療法が行われている。一方、欧州のEORTCによるRCTでは化学放射線療法の有用性は認められず、ESPAC-1では5-FUを使用した化学療法は有効であるが、化学放射線療法はむしろ弊害であると結論づけた。欧州で行われたCONKO-001ではgemcitabineによる化学療法施行群は手術単独群に比較して無再発生存期間が有意に優れていた。これらの結果を受けて、欧州と日本ではgemcitabineによる化学療法が補助療法の中心に位置づけられている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008