膵癌診療最前線 新たな抗癌薬により長期生存を目指す
膵癌に対する化学療法 膵癌に対する術前・術後補助療法
阪本 良弘
1
,
小菅 智男
,
奈良 聡
,
江崎 稔
,
島田 和明
,
上野 秀樹
1国立がんセンター中央病院
キーワード:
Fluorouracil
,
膵臓腫瘍
,
アジュバント化学療法
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
ネオアジュバント療法
,
Gemcitabine
,
放射線化学療法
Keyword:
Fluorouracil
,
Pancreatic Neoplasms
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
,
Gemcitabine
pp.720-724
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008338462
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膵癌の術後補助療法は有用であるとするエビデンスレベルの高いランダム化比較試験は少ない。米国では、化学放射線療法が術後補助療法の中心となった。欧州で行われた大規模なESPAC-1では、fluorouracil(5-FU)を使用した化学療法は有効であるが、化学放射線療法はむしろ弊害であると結論づけた。CONKO-001の結果ではgemcitabine(GEM)による化学療法施行群では手術単独群よりも無再発生存期間・生存期間が有意に良好だった。欧州と日本では、GEMによる化学療法が術後補助療法の中心となった。術前補助療法については切除断端やリンパ節転移の陰性化率を向上させたとする報告があるものの、予後の改善に関するエビデンスは得られていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008