発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008300514
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55歳男。全身倦怠感を主訴に近医受診した。末梢血に芽球の出現を認め紹介入院した。精査にてt(8:21)(q22;q22)を有する急性骨髄性白血病と診断し、AML1-MTG8キメラ遺伝子が陽性であった。寛解導入療法、地固め療法を施行した。AML1-MTG8キメラ遺伝子は陰性で、分子生物学的寛解が得られた。9ヵ月後、骨髄検査にて再発を認め、再寛解導入療法目的で再入院した。再寛解導入療法を開始し、分子生物学的寛解を確認した。食思不振、上腹部痛、発熱およびCRP、ALPの上昇を認めた。カンジダ性多発性肝膿瘍と診断した。アゾール系抗菌薬による加療を行うも無効で、amphotericin Bの動注療法を開始した。腹部症状は消失し、全身状態は改善した。第204病日、肝動注療法を中止した。急性白血病は、その後も骨髄検査にて分子生物学的寛解を維持し、全身状態良好で外来で経過観察中である。
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