発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015042041
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61歳女。労作時呼吸困難を自覚し、血液検査にて白血病が疑われ、当院入院となった。検査所見では、白血球分画で芽球を12.5%認められ、骨髄穿刺にて芽球がANCの70%を占め、芽球の約20%がMPOの染色陽性であった。また、芽球はMPOとともにCD19、CD79a陽性で、mixd phenotype acute leukemia、B/myeloid、not otherwise specifiedと診断した。itraconazoleの投与と化学療法を開始したところ、血球減少が遷延した。骨髄生検では、やや低形成髄で、小円形細胞を多数認められ、骨髄穿刺検査では核小体をもたない成熟リンパ球様細胞が90.5%占めていた。フロ-サイトリー解析にて、リンパ球様細胞はCD19、CD33陽性で白血病細胞であると考えられた。汎血球減少は寛解導入療法後2ヵ月を経過しても遷延し、頻回に輸血を要した。CT検査では肝脾に多発性膿瘍を認めた。β-Dグルカン高値より慢性播種性カンジダ症と考え、抗菌薬を投与し、再寛解導入は断念した。ステロイドを開始したところ、汎血球減少から回復し、輸血非依存となり、退院したが、発熱、全身倦怠感にて再入院した。再入院後の芽球は白血球分画で32.0%、ANCの77%で、芽球の約20%がMPO染色陽性であった。肝脾膿瘍はほぼ消失し、急性リンパ性白血病に対する治療を施行したが、寛解は得られず死亡した。
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