発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017032222
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65歳男。3日前から続く発熱と関節痛を主訴に受診した。腹部造影CTで肝S8に50mm大の腫瘤性病変を認め、肝膿瘍・敗血症の疑いで精査加療目的に入院となった。血液検査で炎症反応とビリルビンの高値を認め、Meropenem 1.5g/日の投与を開始した。入院3日目に経皮経肝膿瘍ドレナージ(PTAD)を施行したところ、炎症所見は速やかに改善した。血液培養と膿瘍培養でS.mitisが同定され、入院7日目に血液培養陰性が確認された。同日に抗菌薬をAmpicillin/Sulbactam 9g/日へ変更し、17日目にPTADを抜去した。歯科による診察では口腔内環境が不衛生であり、下顎骨内に進展した齲歯が認められ、中等度の歯周炎と診断された。経食道心臓超音波検査で感染性心内膜炎を疑わせる所見は認めなかった。PTAD抜去後の経過は良好で、入院30日目に退院となった。
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