膠原病診療のブレークスルー 早期診断・早期治療のポイント
膠原病の難治性病態の早期診断・早期治療のこつ 吸収不全症候群
松山 泰
1
,
岩本 雅弘
1自治医科大学 アレルギー・リウマチ科
キーワード:
リボフラビン欠乏症
,
吸収不良症候群
,
腸
,
栄養補助食品
,
早期診断
,
腸内細菌叢
Keyword:
Gastrointestinal Microbiome
,
Intestines
,
Malabsorption Syndromes
,
Riboflavin Deficiency
,
Dietary Supplements
,
Early Diagnosis
pp.724-727
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008167400
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
強皮症では消化管への膠原線維の沈着、腸内細菌の過剰増殖などにより、著しい消化吸収不全を呈することがある。在宅中心静脈栄養にいたる症例も存在する。吸収不全症候群の診断として、Sudan III染色による便中の脂肪測定が行われる。蠕動障害の早期発見には、Sitzmarksが有用と考えられる。根本的な治療法はないが、対症療法に加え、十分な栄養管理を行う。早期に介入することにより、腸内細菌の過剰増殖や腸液貯留による二次的な粘膜障害を抑制することが期待できる。不可逆的に進行していく疾患であるため、患者のほか、家族や介護協力者との連携をとりながら診療に取り組む。
©Nankodo Co., Ltd., 2008