発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008149319
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急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)は、不安定プラークの破綻によって惹起されることが報告され、その病理学的特徴として、薄い線維性被膜、大きな脂質コア、線維性被膜内あるいはその周辺の、活性化されたマクロファージを中心とした炎症性細胞の集簇などがあげられる。しかしACSの多くは血管造影上、狭窄度50%未満の病変において発症しており、ACSの原因となる不安定プラークを破綻前に診断することは従来の画像診断法では困難であった。近年、光干渉断層法(optical coherence tomography:OCT)が開発され、その優れた画像解像度から不安定プラークを含む血管壁の微細構造を生体内で評価することが可能となった。さらに、冠動脈ステント留置後の血管反応を詳細に観察することができ、冠動脈疾患の診断・治療に寄与することが期待されている。本稿では、OCTの概略、日常臨床における有用性および問題点について述べる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008