発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008118952
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80歳男性。患者は検診の胸部X線にて右上葉の異常陰影を指摘され、著者らの施設を受診となった。精査の結果、重度のCOPDを合併した肺癌と診断され、呼吸機能検査ではFEV1の低下を認めた。そのため、tiotropiumの呼吸療法を開始したところ、呼吸療法開始2週間後には呼吸機能の著明な改善を認め、4週間後には右上葉摘出術および1群リンパ節郭清が施行された。病理組織学的には中心部壊死を伴う低分化扁平上皮癌(pT2N0M0)で、以後、術翌日よりtiotropiumなどの呼吸を再開し、第7病日より酸素吸入を中止、第10病日に歩行退院となった。術後9ヵ月経過現在、息切れの症状はなく、肺癌の再発も認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008