発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008118951
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75歳女性。患者は発熱、関節痛、脱水、食欲不振を主訴に著者らの施設へ入院となった。入院時、皮膚所見にて体幹には数mm大の紅斑が多発癒合した。また、血液検査ではLDHの上昇、高ビリルビン血症、凝固能の低下、血小板減少、CRP上昇、D-dimer上昇を認め、全身CTでは脾腫がみられた。感染症を疑い、抗菌薬SBT/CPZの投与を行ったが、入院翌日には肝胆道系酵素の増加、血小板減少が進行し、播種性血管内凝固症候群(DIC)と判断し、gabexate mesilateの投与を開始した。更に抗菌薬をIPM/CSに変更し、MCFG投与も追加したが、骨髄穿刺で血球貪食像、血清中フェリチン値の異常高値が確認された。以上の経過および検査結果より、DIC、血球貪食症候群(HPS)を合併した成人Still病と診断され、第2病日よりステロイドパルス療法を開始したところ、解熱が得られた。しかし、中枢神経症状の出現、肝障害、DICの進行がみられ、新鮮凍結血漿、γ-グロブリンの投与が行なわれた。以後、第8病日にはDICを離脱し、第47病日に軽快退院となった。
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