糖尿病マネージメントup-to-date
注意すべき病型、病態 高齢者管理
中野 忠澄
1
1東京都保健医療公社多摩北部医療センター 内分泌科
キーワード:
Glycosylated Hemoglobin A
,
糖尿病
,
糖尿病性血管障害
,
糖尿病性神経障害
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病性網膜症
,
高齢者
,
診療ガイドライン
,
年齢分布
,
オーダーメイド医療
Keyword:
Aged
,
Diabetes Mellitus
,
Diabetic Angiopathies
,
Diabetic Nephropathies
,
Diabetic Neuropathies
,
Diabetic Retinopathy
,
Glycated Hemoglobin A
,
Practice Guidelines as Topic
,
Age Distribution
,
Precision Medicine
pp.100-104
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008078764
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
わが国の糖尿病の年齢構成をみると、60歳以上の高齢者が2/3を占め、その大多数は2型糖尿病であるが、1型糖尿病は少ないものの、まれではない。高齢者糖尿病の病態や合併症の特徴として、高血糖(脱水と高浸透圧血症)に陥りやすく、糖尿病細小血管症の発症と増悪も多く、動脈硬化(虚血性心疾患)死が多発し、感染症が合併しやすく、低血糖に注意が必要、という諸点があげられる。複数の血管合併症とくに大血管障害が、ADLや認知機能などの生活機能の障害をもたらすことの多い高齢者糖尿病の治療管理においては、日本糖尿病学会による『高齢者糖尿病治療ガイドライン』を治療指針としながら、適切な食事療法、無理のない運動療法および、低血糖を回避した注意深い薬物療法とともに、キーパーソンを含めた患者のADL・QOLの維持・向上に対する工夫や配慮が重要である。治療目標の設定には、内外の治療ガイドラインが参考となるが、あくまでもテーラーメイドの治療管理が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008