糖尿病マネージメントup-to-date
トピックス 膵島移植の現状
松本 慎一
1
1米国
キーワード:
Langerhans島移植
,
糖尿病-1型
,
リビングドナー
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 1
,
Islets of Langerhans Transplantation
,
Living Donors
pp.105-108
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008078765
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膵島移植は、ドナー膵から分離した膵島細胞を、点滴の要領で移植する低侵襲の治療である。血糖値がきわめて不安定な1型糖尿病患者が適応である。わが国では、2004年に京都大学で膵島移植の1例目が実施された。全国で27例の膵島移植が17人の糖尿病患者に実施され、全例で膵島の機能が確認されている。京都大学では、世界ではじめて生体ドナーからの膵島移植に成功している。膵島移植の課題として、ドナー不足の改善、長期のインスリン離脱状態の維持、免疫抑制薬の副作用の軽減などがあげられる。研究により課題が克服されれば、膵島移植は現状の探索医療から標準治療へと進化し、糖尿病患者への真の福音となるであろう。
©Nankodo Co., Ltd., 2008