糖尿病マネージメントup-to-date
注意すべき病型、病態 肝臓疾患と糖尿病
三浦 順之助
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
Sulfonylurea Compounds
,
運動療法
,
肝炎-C型
,
肝硬変
,
食事療法
,
糖尿病
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Exercise Therapy
,
Diet Therapy
,
Hepatitis C
,
Liver Cirrhosis
,
Sulfonylurea Compounds
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.96-99
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008078763
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肝臓の重要な機能の一つに、糖の取り込みと放出があり、血糖値の維持に重要な役割を果たしている。そのため肝機能障害時は、耐糖能異常が現れやすい。肝硬変では肝組織の硬化のため糖の取り込み能が低下し、患者の60~80%が耐糖能異常を呈し、10~15%に糖尿病を発症する。糖代謝の特徴として、空腹時血糖値は正常域であっても、食後の高血糖と高インスリン血症を示すことがあげられる。C型肝炎ウイルス感染自体が、インスリン抵抗性を増強させ、耐糖能を悪化させる可能性がある。非アルコール性脂肪性肝炎は進行性の慢性肝病変であり、肝癌の基礎病変にもなりうる。耐糖能の悪化も高率に起こるため、早期から適切な食事・運動療法の指導が大切である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008