糖尿病治療の個別化-個々の症例にベストな治療とは
2型糖尿病の疫学
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
医療費
,
糖尿病-2型
,
糖尿病性神経障害
,
糖尿病性腎症
,
糖尿病性網膜症
,
有病率
,
保健医療政策
,
公的医療保険
,
受診率
Keyword:
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diabetic Nephropathies
,
Diabetic Neuropathies
,
Diabetic Retinopathy
,
Health Expenditures
,
Health Policy
,
Prevalence
,
Not-For-Profit Insurance Plans
pp.5-10
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017114784
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2型糖尿病患者の有病率増加は世界規模で問題となっており,2040年までに6億4,200万人に増加すると予測されている.それに伴い,糖尿病関連の医療費も約96兆円に増えるともいわれている.わが国においても,厚生労働省が実施している患者調査によると,「糖尿病が強く疑われる人」の割合は年々増加している.その一方で,糖尿病治療の状況の報告では,「以前受けていたことがあるが,現在受けていない」,「ほとんど治療を受けたことがない」が14.4%と治療の中断・継続も課題となっている.高血糖が持続することにより生じる合併症の増加は,ここ数年でようやく横ばいになってきたが,合併症を含む糖尿病治療は医療費の増大に多大な影響を与えている.そういったなかで,政府や健康保険の糖尿病予防の取り組みとして「特定健康診査・特定保健指導」が始まり,合併症予防として「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」が策定された.
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