発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082296
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症例は71歳男性で、左背部痛・口渇・頻尿・残尿感・尿勢低下を主訴に近医を受診、随時血糖;416mg/dl・HbA1c;9.0%を認め紹介来院となり、膿尿・炎症反応上昇、腹部CTにて水腎症・腸腰筋膿瘍を疑われ泌尿器科入院となった。尿培養にてStreptococcus agalactiae(Group B)が起因菌と考えられた。腹部MRI T2強調像では両側水腎症と左腎周囲に液体貯留像を認めた。第1病日より補液とtazobactam+piperacillinの点滴を開始、尿道カテーテル留置したが、その後尿量が確保され炎症反応や腎機能は速やかに改善した。第7病日の腹部CTでは両側水腎症と液体貯留像は消失、臨床経過から腸腰筋膿瘍は否定され尿嚢腫と診断された。尿道カテーテル抜去を試みたが、自尿を認めず水腎症を再発したため現在もカテーテルを留置している。糖尿病についてはインスリン療法を導入したが第30病日に離脱、glicalazide内服にて良好なコントロールが得られ、合併症として前増殖性糖尿病網膜症・糖尿病腎症第3期A・糖尿病神経障害を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010