腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 女性生殖器 卵巣癌
熊谷 晴介
1
,
杉山 徹
1岩手医科大学 産婦人科学教室
キーワード:
Carboplatin
,
危険因子
,
腫瘍多剤併用療法
,
子宮摘出術
,
卵巣腫瘍
,
リンパ節郭清
,
Paclitaxel
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Hysterectomy
,
Lymph Node Excision
,
Ovarian Neoplasms
,
Risk Factors
,
Carboplatin
,
Paclitaxel
pp.1266-1273
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061421
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卵巣癌は近年増加傾向にある。排卵による上皮の破綻・修復、肥満、子宮内膜症等が、発症の危険因子となる。画像検査と腫瘍マーカー等で術前診断を進める。初回手術にて病理組織・進行期が確定する。残存腫瘍径が重要な予後因子のため、最大限の腫瘍減量を目指す。標準的な化学療法はpaclitaxel(175mg/m2,3hr)とcarboplatin(AUC5-6)の併用療法である。腹腔内化学療法や、molecular biologyに基づく組織亜型別の治療法(抗癌薬、分子標的薬)の検討などが進行中である。再発癌は、薬剤感受性(TFI≧6ヵ月)では初回レジメンに準じ、薬剤抵抗性(TFI<6ヵ月)では初回治療薬と交差耐性を有さない薬剤を選択する。胚細胞性悪性腫瘍は若年層に好発する。妊孕性温存手術と術後化学療法(BEP療法)が標準的である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007