甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
破壊性甲状腺中毒症 バセドウ病と鑑別すべき種々の病態
重政 千秋
1
1鳥取大学 医学部病態情報内科学
キーワード:
甲状腺炎-亜急性
,
Graves病
,
鑑別診断
,
分類
,
甲状腺中毒症
,
甲状腺炎-無痛性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Classification
,
Graves Disease
,
Thyroiditis, Subacute
,
Thyrotoxicosis
pp.865-870
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056076
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甲状腺中毒症は、甲状腺機能亢進を伴うものと伴わないものの二つに大別される。前者の代表がバセドウ病であり、後者の大部分を破壊性(炎症性)甲状腺中毒症が占める。破壊性(炎症性)甲状腺中毒症には、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、橋本病急性増悪型があり、これらは放射性ヨード甲状腺摂取率低値の一過性甲状腺中毒症を呈する。無痛性甲状腺炎は全甲状腺中毒症の約10%を占め、バセドウ病との鑑別がきわめて重要である。無痛性甲状腺炎では、原則的にTSH受容体抗体は陰性である。無痛性甲状腺炎の甲状腺中毒症期に、抗甲状腺薬は用いてはならない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007