冠動脈疾患をめぐる最近の話題
急性心筋梗塞に対するG-CSF療法
長谷川 洋
1
,
小室 一成
1千葉大学 大学院医学研究院循環病態医科学
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
シグナルトランスダクション
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor Receptors
,
心筋梗塞
,
心不全
,
動脈硬化症
,
臨床試験
,
アポトーシス
,
生理的血管新生
,
心室リモデリング
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Clinical Trials as Topic
,
Heart Failure
,
Myocardial Infarction
,
Signal Transduction
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Receptors, Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Apoptosis
,
Neovascularization, Physiologic
,
Ventricular Remodeling
pp.521-528
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325585
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造血性サイトカインであるG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)は、急性心筋梗塞後の左室リモデリング抑制作用を有することが、動物モデル、およびヒト臨床試験で明らかになってきた。保護作用の機序の主なものは、骨髄細胞動員などではなく、心筋細胞に発現しているG-CSF受容体を介したアポトーシス抑制や、血管新生作用である。G-CSFが動脈硬化進展抑制作用を有する可能性も、明らかになってきている。急性心筋梗塞のみならず、慢性虚血性心疾患や、心不全の新たな治療薬となりうるものとして期待されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007