心筋症 診断の進歩と治療のブレークスルー2009
トピックス 心筋症治療の未来 サイトカインによる心筋再生
上田 和孝
1
,
高野 博之
,
小室 一成
1千葉大学 大学院医学研究院循環病態医科学
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
心筋梗塞
,
心筋疾患
,
細胞移植
,
心室リモデリング
,
再生医学
Keyword:
Myocardial Infarction
,
Cardiomyopathies
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Cell Transplantation
,
Ventricular Remodeling
,
Regenerative Medicine
pp.526-530
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009118837
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心筋症は心不全の大きな原因の一つであり、重症の場合は心移植しか治療法がない例もある。だが、心移植治療にはさまざまな制限があるため、移植を回避できる新しい治療が望まれている。現在、失われた心臓器官を再生しようとする再生医療の研究が盛んに行われている。造血性サイトカインは骨髄幹細胞を動員する作用をもち、再生医療の分野でも注目されている。最近の研究で、造血性サイトカインは幹細胞動員を介した再生作用のみならず、心筋細胞や血管内皮細胞への直接的な保護作用を併せもつことが明らかになってきており、今後、サイトカイン療法が心筋症進展のメカニズムを多角的に制御する。新たな心不全治療の手段として期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2009