冠動脈疾患をめぐる最近の話題
心筋梗塞への再生医療Update 骨髄単核球を利用した細胞治療の現状
五十殿 弘二
1
,
浅田 聡
,
高橋 知三郎
,
辰巳 哲也
,
松原 弘明
1京都府立医科大学 循環器内科学
キーワード:
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
開胸術
,
骨髄細胞
,
心筋梗塞
,
心臓カテーテル法
,
単核白血球
,
生理的血管新生
,
細胞移植
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
再生医学
,
心筋細胞
,
多能性幹細胞
,
細胞療法と組織療法
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Bone Marrow Cells
,
Cardiac Catheterization
,
Leukocytes, Mononuclear
,
Myocardial Infarction
,
Thoracotomy
,
Granulocyte Colony-Stimulating Factor
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Cell Transplantation
,
Neovascularization, Physiologic
,
Myocytes, Cardiac
,
Pluripotent Stem Cells
,
Regenerative Medicine
,
Cell- and Tissue-Based Therapy
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.529-535
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007325586
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心筋梗塞への再生医療として、末梢血単核球あるいは骨髄単核球を利用した血管新生治療が臨床応用されている。急性心筋梗塞(AMI)のPCI治療後に骨髄単核球を冠動脈から注入する血管新生治療が、欧米で2001年ごろからスタートした。初期のオープンラベル臨床試験では半年後の心機能が10%前後と改善し世界中の注目を浴びたが、最近の二重盲検試験では有意な改善がみられないとの報告もあり、適応症例の選択が必要になった。造血性サイトカイン(G-CSF)をAMI後に投与して、心機能を改善させる臨床試験も実施されている。一方、陳旧性心筋梗塞(OMI)への骨髄単核球の直接心筋移植は、有効例が多く報告され、開胸・カテーテルを利用した再生医療が期待されている。ヒト心筋からの多能性幹細胞も分離され、低心機能の重症心筋梗塞への移植もまもなくである。心筋梗塞への再生医療の、最新の臨床試験の成績を中心に述べ、将来展望についてもふれてみたい。
©Nankodo Co., Ltd., 2007