発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007262349
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33歳女性。Etanerceptが血糖値の改善に影響した関節リウマチ・バセドウ病合併糖尿病の1例を経験した。関節リウマチにて通院中でprednisoloneを内服していた。食欲が増加して徐々に口渇が出現し、HbA1c 10.0%で当科紹介となった。小球性貧血、血小板増加、CRP上昇、低コレステロール血症、甲状腺ホルモン増加を認め、甲状腺自己抗体は陽性(TRAb 11.2 IU/l)で、99mTcシンチグラフィーで甲状腺へのびまん性の集積増加を認めてバセドウ病と診断した。Thiamazole投与で徐々に甲状腺機能は改善し、TRAbも低下した。糖尿病は経口血糖降下薬(mitiglinide)では効果が乏しく、関節リウマチにetanercept投与を開始したが、HbA1c 11%と悪化したためインスリンを導入した。etanercept投与後、血沈は低下し、関節症状の改善を認め、車椅子生活から杖歩行可能となった。また、HbA1cは急速に改善し、インスリンも減量可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007