最新版 糖尿病虎の巻-新時代の糖尿病診療を実践する
Massでみる糖尿病・メタボリックシンドローム 糖尿病診断基準とHbA1cの変遷
伊藤 千賀子
1
1グランドタワー・メディカルコート
キーワード:
感度と特異度
,
Glycosylated Hemoglobin A
,
血糖
,
糖尿病
,
糖負荷試験
,
発生率
,
耐糖能障害
,
標準化
Keyword:
Blood Glucose
,
Diabetes Mellitus
,
Glucose Tolerance Test
,
Glycated Hemoglobin A
,
Sensitivity and Specificity
,
Reference Standards
,
Incidence
,
Glucose Intolerance
pp.579-583
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011353486
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・HbA1cは1993年のDCCT報告と同様に現在も糖尿病の管理指標である。・HbA1c(JDS値)と空腹時やOGTT 2時間値とは高い相関関係にあるが、ばらつきが大きかった。このことから、日本では1999年から疫学研究などで糖尿病頻度を推計するためにHbA1c(JDS値)≧6.1%が用いられてきた。・1999年の基準では、糖尿病を確定するためにHbA1c(JDS値)≧6.5%とされた。・2010年からはHbA1c(JDS値)≧6.1%を糖尿病型として血糖値で糖尿病型である場合は臨床的な糖尿病と診断できることになった。このHbA1c(JDS値)6.1%は欧米のHbA1c(国際基準値)6.5%に相当しており、日本の基準値が世界の基準値と足並みがそろっている。・HbA1c(JDS値)の意味づけは1999年とは違っているものの、もし過去の基準を順守してHbA1c(JDS値)が6.5%から6.1%に低下したと仮定すると、糖尿病と診断される症例は4%程度増加することが推測される。
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