発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177276
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症例は62歳女性で、軽快しない虹彩炎の精査を目的とした。また、症例には、数年前からRaynaud現象、両側前腕皮膚の腫脹・硬化・色素沈着が出現していた。両側前腕から手指に皮膚の硬化、及び色素沈着を認めた。両側下肺野にはfine crackleを認めた。胸部X線撮影、胸・腹部部造影CT写真では、両肺下葉末梢主体にすりガラス状陰影、両側肺門部リンパ節腫大、腹部傍大動脈領域リンパ節腫大を認めた。皮膚・縦隔リンパ節の生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め、全身硬化症にサルコイドーシスの合併と診断した。約2ヵ月後に視力低下が出現し、蛍光眼底検査で視神経周囲炎・静脈周囲炎を認め、サルコイドーシスの眼病変と考えられた。プレドニゾロンの全身投与により眼症状は改善したが、皮膚硬化に変化はない。全身性硬化症の経過中、リンパ節腫脹、肺病変に伴う呼吸器症状等を認めた場合、サルコイドーシスも考慮すべきだと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007