治す 薬物療法 サルコイドーシスの診断から治療まで

心臓MRIやfluorine-18(18F)fluorodeoxyglucose(FDG)PETなど画像診断技術の進歩や,症例の集積などにより,心臓サルコイドーシスの診断が,より適切に行えるようになってきた。他臓器に明らかなサルコイドーシス関連病変が認められず,心臓にだけに所見が限局する,いわゆる｢心臓限局性サルコイドーシス｣についても,その臨床的な重要性について指摘されている。それらの状況を鑑み,わが国では日本循環器学会を中心として｢心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン｣作成班(班長:寺崎文生)の活動が行われ2017年2月に新たなガイドラインが発行された。サルコイドーシスは全身性類上皮細胞肉芽腫性疾患であり,原因はいまだに解明されていない。わが国では指定難病であり,医療費の助成対象となる。基本的には,心臓サルコイドーシスはサルコイドーシスの心臓病変と同義である。従って,心臓サルコイドーシスの診療に際しては,全身性疾患の視点からサルコイドーシスを十分に理解しておくことが必要である。本稿では,サルコイドーシスの診断･治療および心臓サルコイドーシスの薬物療法を中心に解説を行う。