発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177277
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症例は83歳男性で、呼吸困難、発熱、強い炎症反応がみられた。画像所見では右肺野全体、及び左中下肺野のすりガラス状陰影、右上肺野優位の湿潤影の混在と両肺野に気腫性変化を認め、血液検査結果を加えて重症肺炎による全身炎症反応症候群、及び急性肺障害/急性呼吸促迫症候群(ALI/ARDS)と診断した。イミペネム/シラスタチン、クリンダマイシン、メチルプレドニゾロン、シベレスタットを投与し、非侵襲的陽圧人工呼吸(NPPV)で呼吸管理を行った。第7病日にはNPPVを離脱、第13病日にはシベレスタットの投与を終了し、その後も順調に経過した。高齢者重症肺炎の予後改善には、肺炎が重症化する早期の段階から非侵襲的なNPPVによる呼吸管理を導入することや、ALI/ARDSにも効果が期待される好中球エラスターゼ阻害薬などを含めた集学的治療が効果的であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007