特集 サルコイドーシス-2013
臨床例
抗セントロメア抗体陽性の全身性強皮症に合併したサルコイドーシス
高間 寛之
1
,
室 慶直
,
秋山 真志
1名古屋大学 医学部医学系研究科皮膚病態学
キーワード:
強皮症-全身性
,
鑑別診断
,
生検
,
セントロメア
,
凍瘡
,
サルコイドーシス
,
抗セントロメア抗体
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Centromere
,
Chilblains
,
Scleroderma, Systemic
,
Sarcoidosis
,
Anticentromere Antibody
pp.67-70
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013118074
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<症例のポイント>抗セントロメア抗体陽性の全身性強皮症において、サルコイドーシスを合併した症例を経験したので報告する。近年の本邦報告では、サルコイドーシスを合併した強皮症において、16例中13例が抗セントロメア抗体陽性であった。また、サルコイドーシスの皮疹はびまん浸潤型がもっとも多いとされている。びまん浸潤型の皮疹は、サルコイドーシスにおける予後不良因子の1つとして知られている。強皮症患者の手指に境界不明瞭な紅斑を認めた場合、サルコイドーシスの合併を考慮する必要がある。とくに末梢循環障害を伴う強皮症患者においては、手指の凍瘡様紅斑は症状がマスクされやすい。この症状に気づかず放置されると、ときに心病変などを合併し致死的となる可能性もあるため、強皮症の留意すべき合併症であるといえる。
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