心不全予防 その最前線を探る
新たな負担軽減法を探る 無症候例への介入 ペースメーカー治療
庄田 守男
1
1東京女子医科大学 循環器内科
キーワード:
一回拍出量
,
徐脈
,
心エコー図
,
心室
,
人工心臓ペーシング
,
心臓再同期療法
Keyword:
Bradycardia
,
Cardiac Pacing, Artificial
,
Echocardiography
,
Heart Ventricles
,
Stroke Volume
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.485-489
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177260
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心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)は、心不全に対する新しい植込み式デバイス治療である。理想的な薬物治療でも、NYHA III度またはIV度の心不全症状があり、QRS幅が130msec以上、左室駆出率が35%以下の場合にはCRTの適応を考慮する。CRTは左室非同期性収縮を改善し、症状や生命予後を改善する。徐脈性不整脈に対する右室ペーシングの適応があり医原性に左室非同期性収縮を招く可能性が高い患者、または左脚ブロック型のQRS幅延長があり心エコーなどの画像診断で左室非同期性収縮が明らかな低心機能症例などでは、無~軽症候性でも早期にCRTを導入すべきという考え方があるが、それを正当化する科学的根拠は、現状ではない。CRT早期導入の功罪を、さらに検討する必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007