心不全予防 その最前線を探る
新たな負担軽減法を探る バイオマーカーガイドによる管理
佐藤 幸人
1
,
北 徹
,
藤原 久義
,
鷹津 良樹
1兵庫県立尼崎病院 循環器内科
キーワード:
生物学的マーカー
,
Troponin
,
心不全
,
Brain Natriuretic Peptide
Keyword:
Heart Failure
,
Troponin
,
Biomarkers
,
Natriuretic Peptide, Brain
pp.490-494
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性心不全領域において血中BNP(brain natriuretic peptide、脳性ナトリウム利尿ペプチド)はもっとも頻用されている生化学指標であり、治療の「代理指標」として使用可能と考えられている。一方、心筋障害の指標である血中心筋トロポニン(cTn)はBNPと独立した予後規定因子であり、BNP低下と乖離して、治療後も持続的にcTn高値で心筋障害を示唆する症例の存在が明らかとなった。近年、迅速測定機器の登場により、これらの生化学指標は「慢性心不全」の領域から「急性心不全」の指標としても使用可能になった。さらに今後は慢性心不全予防として「検診」における意義、機器の小型化軽量化時代を迎えて、「在宅、末期治療」における意義の検討も視野に入れる必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007