特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
識る AdaptivCRT
清水 昭彦
1
1山口大学 大学院医学系研究科保健学専攻
キーワード:
心室
,
人工心臓ペーシング
,
心不全
,
心房
,
ランダム化比較試験
,
心臓再同期療法
Keyword:
Cardiac Pacing, Artificial
,
Heart Ventricles
,
Heart Failure
,
Heart Atria
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.168-172
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130942
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1996年,心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)が薬 物治療難治例の心不全の治療法として報告1)されてから20年経過した。その中 間,多くの大規模試験が行われ適応ガイドラインも報告された。治療黎明期より CRT治療の最大の課題は非反応例をいかに減らすかであった。いまだ,反応率 は52~69% 2 - 5)で70%前後が限界と考えられている。このため,適応の段階 前に非反応例を予測する臨床的要因6 , 7)が探求されてきたが,QRS幅以外の指標 にはこれまでのところ限界がある。CRTの基本システムは右房同期,右室・左 室ペーシングであるが,AV(心房[atrium]・心室[ventricle])時間,VV(右室・ 左室)時間のアルゴリズムを改善することで効果的なペーシングを増やして反応 率を改善させるアルゴリズムが開発されている。その1つが,AdaptivCRT® (Medtronic社製 Evera®/Viva®)である。
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