発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006320906
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上皮系細胞のNa+再吸収による循環血漿量増加を介さない,アルドステロン(Aldo)の直接的な心血管系への障害作用が最近注目されている.実際,原発性アルドステロン症の患者では心血管合併症が多い.Aldoは血管壁で活性酸素種(ROS)の産生を増加させ,直接血管壁構成細胞を傷害するが,また接着分子・MCP-1などの発現増加や,血管内皮細胞のeNOS活性を低下させることによっても血管障害を惹起させると考えられる.アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与によってアルドステロン・ブレイクスルーが起こる可能性があり,それらの薬剤によって抑えきれない臓器障害の一部はこの現象を介している可能性がある
©Nankodo Co., Ltd., 2006