発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢化により変性,硬化性弁膜疾患の割合が増加している.従来,変性,硬化性弁膜疾患は弁の消耗による変性過程で年齢に依存した変化とされていたが,最近粥状硬化の関与が明らかとなり,スタチン等による進行の抑制が試みられている.高齢者の周術期の生存率や短中期生存は良好となってきてはいるが,生存の質的な面はまだ不十分と思われ,現在は症状の発現が一般的な手術適応基準である.しかし高齢者では,年齢という点のみで手術施行が少ない傾向があり,弁膜疾患ごとの手術成績や個々のリスクの綿密な評価が必要である.高齢者は肝腎障害等の臓器障害・薬物の副作用・栄養不良・脱水・精神面の異常等をきたしやすく,内科治療に際しては特別な配慮が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006