発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251882
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27歳男.5日間39℃台の発熱,下痢を呈し,近医で抗生物質を処方されあが微熱が持続し,両下肢の筋力低下,指先のしびれ,構音障害,嚥下障害が出現した.右末梢性顔面神経麻痺を認め,運動系では下肢優位に多巣性の四肢麻痺を,反射系では右膝蓋腱反射を除く全般的な腱反射の亢進を,感覚系では第8胸髄レベル以下で痛覚・触覚の低下を認めた.頭部MRIでは異常所見を認めず,胸椎MRIのT2強調像でTh7~8レベルの髄内に高信号域を認めた.脊髄炎型の急性散在性脳脊髄炎と診断し,ステロイドパルス療法を施行した.第4病日には両側Babinski徴候陽性を呈したが,第5病日より四肢麻痺の進行と四肢腱反射の低下,球症状の悪化を認め,Babinski徴候も消失した.このためγグロブリン0.6g/kg/day,5日間の大量療法を開始し,呼吸状態悪化に対して人工呼吸管理を行った.右上肢近位より筋力は徐々に改善し,第21病日には人工呼吸器を離脱し,髄液検査では蛋白細胞解離を認めた.その後筋力は徐々に改善し,第121病日にリハビリテーション目的で転院した
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