症例
乳児瞳孔不同の2例
多喜 萌
1
,
井口 智洋
,
三谷 麻里絵
,
田口 寛子
,
本間 麻里
,
明貝 路子
,
上牧 務
1静岡市立清水病院 小児科
キーワード:
Fallot四徴症
,
Horner症候群
,
MRI
,
縦隔腫瘍
,
神経芽腫
,
双生児の疾患
,
瞳孔不同
,
二絨毛膜二羊膜性双胎
Keyword:
Diseases in Twins
,
Horner Syndrome
,
Mediastinal Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Neuroblastoma
,
Tetralogy of Fallot
,
Anisocoria
pp.95-98
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017161700
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症例1:2ヵ月女児。瞳孔の左右差に母親が気づき受診した。初診時、瞳孔径右4mm、左3mmの不同があり、左眼裂狭小を認めた。腫瘍マーカーと頭部単純MRI像から神経芽腫が疑われ、専門施設へ転院し、生検で神経芽腫と診断され化学療法が行われている。本例における瞳孔不同は、縦隔内に発生した神経芽腫によるHorner症候群であると考えられた。症例2:4ヵ月男児。Fallot四徴症に対しプロプラノロールを内服中であった。4ヵ月健診時に左右瞳孔不同を指摘され、初診時、瞳孔径右2mm、左3mmの暗所で増強する不同があった。腫瘍マーカーの上昇を認めたが、画像検索で腫瘤性病変の発見には至らなかった。外傷歴、薬剤歴を認めず、その他種々の所見を踏まえて、生理的瞳孔不同と診断し経過観察することとした。本症例における腫瘍マーカー上昇は、Fallot四徴症による内因性カテコラミン産生の影響であると考えられた。
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