発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338927
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60歳女。昼寝中に突然激しい後頭部痛が出現して右手を動かせなくなり、近医での頸椎MRIでC4/C5、C5/C6の脊柱管狭窄、C3/C4高位で脊髄内にT2強調像で高信号病変、頭部MRIで左小脳半球の新鮮小梗塞巣を認め、発症2日後に紹介受診された。入院後の頸椎MRI再検で脊髄内の高信号領域は拡大を示し、呼吸苦が出現し、両側上下肢に認めた運動麻痺が進行したことから、脊髄梗塞と診断してヘパリンナトリウム点滴、アスピリン内服、更にグリセリン・果糖注射液点滴を開始した。治療開始3日後より上肢筋力は改善傾向を示し、6日後にはアスピリン内服以外を中止して酸素投与も不要となった。発症31日後の頸椎MRIではT2強調像で高信号域の縮小を認め、リハビリテーションを行い38日後に退院となった。退院時の徒手筋力テストでは、右三角筋は治療前1/5が治療後2/5へ、左三角筋は1/5が5/5へ、右上腕二頭筋は1/5が3/5へ、左上腕二頭筋は3/5が4/5へ改善していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011