発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108609
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たこつぼ型心筋障害は,急性心筋梗塞を疑わせる症状で発症し,急性期には左室心尖部のバルーン状の無収縮と心基部の過収縮を認め,冠動脈には狭窄病変を認めない.この壁収縮異常は可逆性であり数日の経過で正常化する.高齢女性に好発し,情動的ストレスが誘因となることが多い.冠攣縮,冠動脈微小循環障害,ある種の心筋炎,カテコラミンの過剰反応による心筋障害などが成因と考えられているが,本症の病因を一元的に説明できる発症機転は明確ではない.現時点では疾患の定義や診断基準が確立されておらず,今後の症例の蓄積により本病態の機序の解明が求められる
©Nankodo Co., Ltd., 2005