発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108607
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アルコール性心筋症は特発性心筋症類似の病態を示し,特異な所見はないが,断酒により心機能が著明に改善することが多い.糖尿病では,微小血管障害に加え,心筋の代謝異常により,直接的に心筋が障害される.甲状腺ホルモンは心筋への直接作用,ならびに交感神経カテコラミン系の作用増強により,心拍数,心筋収縮力を増加させる.甲状腺機能亢進症では不整脈が問題となり,心肥大も生じうる.褐色細胞腫,先端肥大症では,それぞれカテコラミン,成長ホルモンおよびインスリン様成長因子により心肥大をきたすが,拡張型心筋症類似の病態を生じることがある.アルコール性心筋症や種々の内分泌疾患に伴う心筋障害,心機能低下は原因疾患の治療により心機能が著明に改善することが多く,心筋症の診断においては常に念頭に置かなくてはならない
©Nankodo Co., Ltd., 2005