発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003207328
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41歳女.咽頭違和感のために近医を受診し,はじめて高血圧を指摘された.夕食後に突然,右季肋部痛を自覚した.疼痛は鎮痛薬で軽快したが,腹部エコーで右上腹部に嚢胞性病変を指摘された.画像診断などから,右副腎原発の褐色細胞腫と診断された.doxazosin mesilateの経口投与を開始した.この間,血圧の大きな変化はなく,起立性低血圧もみられなかった.手術を施行した.腫瘍は,肉眼的には嚢胞成分が豊富で嚢胞内に出血を伴っており,病理組織像では一部に血管浸潤や分裂像が認められた.術後,尿中カテコラミン排泄量は正常化し,外来で経過を観察していたが,CTで右下肺に腫瘍像が認められたため,右下葉切除術を施行し,右肺と横隔膜に転移が確認された
©Nankodo Co., Ltd., 2003