発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002087563
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77歳女.主訴は嘔吐.出血性十二指腸潰瘍で加療中,腹痛,腹部膨満感と共に胆汁様の嘔吐が出現した.入院時白血球数が14,500/mm3と増加し,CRP,フィブリノーゲンが上昇していた.腹部単純X線検査で小腸ガスを多量に認め小腸イレウスと診断し,イレウス管を挿入し保存的に加療した結果,炎症反応は改善し,自覚症状も軽快した.イレウス管造影でKerckring襞の消失及び管腔の狭小化を認めた.2週後イレウス管を抜去後の小腸造影でX線上の狭窄率約33%から約60%と増悪し,管腔の拡張も不良であった.このため小腸部分切除を行った.腸管は浮腫状で壁の肥厚があり,鏡検所見から虚血性小腸炎と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2001