診察と検査
超音波ガイドを用いて聴診三角を同定し大菱形筋の筋電図検査を行う方法
仲野 春樹
1
,
池永 稔
,
中村 宗雅
,
中川 美佳
,
上田 聖
,
佐浦 隆一
1大阪医科大学 リハビリテーション医学
キーワード:
筋電図
,
肩甲筋
,
術後合併症
,
神経根症
,
鑑別診断
,
脊椎固定術
,
麻痺
,
インターベンショナル超音波診断
,
筋力増強訓練
,
頸椎症性脊髄症
,
上腕筋
,
僧帽筋
,
菱形筋
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Electromyography
,
Radiculopathy
,
Paralysis
,
Postoperative Complications
,
Spinal Fusion
,
Ultrasonography, Interventional
,
Superficial Back Muscles
,
Superficial Back Muscles
pp.1088-1090
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017399271
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67歳男性。頸椎症性頸髄症に対する前方固定術後より右上肢の脱力が出現した。徒手筋力テスト(MMT)では右肩関節屈曲2・外転2、肘関節屈曲2の筋力低下を認め、術後C5麻痺による下垂腕が疑われた。確定診断目的で術後6週に大菱形筋を中心とした右上肢筋の針筋電図検査を行った。今回、超音波ガイドを用いて聴診三角を同定し、針電極を挿入する方法で検査を試みたところ、大菱形筋の安静時電位で明らかな脱神経電位が確認された。また、右大菱形筋以外に右僧帽筋、棘上筋、棘下筋、上腕二頭筋でも脱神経電位がみられた。検査結果よりC5麻痺の診断が確定し、診断後は筋力増強訓練が行われた。発症後9ヵ月にはMMTで肩関節屈曲・外転筋力は3、肘関節屈曲筋力は4まで回復した。
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