発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017097309
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不安定型鎖骨遠位端骨折に対しアーム付きノンロッキングプレート(SP)を用いて骨接合術を行った103例(男性82例、女性21例、平均年齢47.6歳)の治療成績について検討した。骨折型は独自の方法で菱形靱帯が遠位骨片に付着したU I型:58例、菱形靱帯が遠位骨片から分離した第3骨片に付着したU II型:45例に分類された。手術法はU I型ではSP単独、U II型ではSP+併用手術を基本としたが、最終的には術中所見を踏まえて判断し、実際にはSP単独手術が70例、SP+併用手術が33例(経肩峰Kirschner鋼線固定12例、烏口鎖骨間縫合糸アンカー固定21例)であった。その結果、全例、術後6ヵ月で骨癒合が得られた。最終観察時の平均JOAスコアは97.1点で、U I型98.2点、U II型95.8点であった。JOAスコアが85点未満の成績不良例は3例であり、その内訳は59歳の腱板断裂合併未治療の1例、75歳以上の後期高齢者2例であった。合併症は、鎖骨遠位端でのSP突出による違和感が5例、肩鎖関節脱臼・亜脱臼が6例、感染が1例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016