経験と考察
骨粗鬆症性椎体骨折後にビスホスホネート製剤を開始した症例の二次骨折発症率
太田 孝一
1
1江別市立病院 麻酔科ペインクリニック
キーワード:
Steroids
,
脊椎骨折
,
追跡研究
,
経口投与
,
発生率
,
後向き研究
,
Minodronic Acid
,
Risedronic Acid
,
二次予防
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Administration, Oral
,
Risedronate Sodium
,
Follow-Up Studies
,
Retrospective Studies
,
Steroids
,
Spinal Fractures
,
Incidence
,
Secondary Prevention
,
Osteoporotic Fractures
,
YM 529
pp.1245-1247
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017060207
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骨粗鬆症性脊椎骨折の二次骨折予防を目的としたビスホスホネート(BP)製剤の効果を後方視的に検討した。BP製剤として入院中よりリセドロン酸ナトリウム水和物またはミノドロン酸水和物を経口投与した87例を対象とし、投与開始から2年間追跡調査を行い二次骨折の有無を検討した。その結果、二次骨折は27例に発症し、計35回の二次骨折のうち33回は椎体骨折で、うち1回は恥骨骨折を合併していた。二次骨折のハイリスク群と考えられるステロイド内服例は6例で、うち3例で二次骨折を認めた。また、脊椎手術後は23例で、うち13例で二次骨折を認めた。ステロイド内服例および脊椎手術後例のハイリスク群は、それ以外の症例と比較して二次骨折発症率が有意に高かった。以上、BP製剤単独では二次骨折の発症を予防することは困難であり、生活指導やロコモティブシンドロームの治療等の総合的な治療の必要性が示唆された。
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