経験と考察
橈骨遠位端骨折に対する術中整復法としてのintrafocal pinningの有用性と限界
中山 政憲
1
,
菊池 駿介
,
辻 収彦
,
金川 裕矢
,
小川 祐人
,
児玉 隆夫
1地域医療機能推進機構埼玉メディカルセンター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
X線透視検査
,
内固定法
,
骨板
,
骨ワイヤー
,
術中期
,
橈骨骨折
,
骨折治癒
,
治療成績
Keyword:
Bone Wires
,
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Fluoroscopy
,
Intraoperative Period
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Fracture Healing
,
Treatment Outcome
pp.411-414
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016298084
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橈骨遠位端骨折に対してintrafocal pinning併用による掌側ロッキングプレート固定を行った30例の治療成績をまとめ、術中整復法としてのintrafocal pinningの有用性について検討した。その結果、1)intrafocal pinningのみで整復可能であったものは20例、術中にほかの整復法を併用したものは10例であった。2)術前AO分類type C3の1例では経過観察中に骨片転位が生じたものの、その例も含め全例で骨癒合は得られていた。3)Cooney分類による臨床評価はexcellentが15例、goodが12例、fairが3例と概ね良好な成績が得られていた。このことからも、その有用性が確認された。4)今回の検討から、手術までの待機期間の長い例や粉砕の強い例ではintrafocal pinning単独での整復は困難で、ほかの整復法の併用が必要となる可能性が高いことが示唆された。
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