臨床室
著明な皮膚脆弱性を伴った人工股関節全置換術の2例
岩崎 英二
1
,
馬場 智規
,
本間 康弘
,
松本 幹生
,
越智 宏徳
,
金子 和夫
1順天堂大学 整形外科
キーワード:
Betamethasone
,
Prednisolone
,
Vancomycin
,
X線診断
,
牽引(整形外科)
,
混合性結合組織病
,
大腿骨頭壊死
,
バルーン拡張法
,
表皮水疱症-後天性
,
ブドウ球菌感染症
,
包帯
,
股関節置換術
,
創傷被覆材
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
弾性包帯
,
外科用ドレープ
,
皮膚脆弱性
Keyword:
Bandages
,
Betamethasone
,
Femur Head Necrosis
,
Mixed Connective Tissue Disease
,
Prednisolone
,
Radiography
,
Staphylococcal Infections
,
Traction
,
Epidermolysis Bullosa Acquisita
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Compression Bandages
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Surgical Drapes
,
Vancomycin
pp.261-264
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016169123
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症例1は混合結合織病の既往がある51歳女性で、41歳時に左大腿骨頭壊死症を発症し、今回、人工股関節全置換術(THA)目的で当科入院となった。症例2は後天性表皮水疱症の既往がある59歳女性で、55歳時に左股関節痛が出現し、大腿骨頭壊死症と診断され、今回、THA目的に当科入院となった。いずれの症例も原疾患による著明な皮膚脆弱性を認めたため、感染リスクを考慮して皮切予定部位や鼻腔などから細菌培養を行った。症例1は培養結果陰性であったが、症例2は皮切予定部位よりMRSAが検出されたため、VCMを手術5日前より経静脈投与し、MRSA陰性化を確認後、THAを行った。いずれも周術期管理として皮膚の機械的刺激を軽減されるためにメピレックストランスファーとメピタックを使用した。また、術後のDVT予防として綿包帯を巻き、その上に弾性包帯を使用した。症例2ではTHA後の一次感染による再置換を想定し、抗菌薬セメントと抗菌薬の長期投与を行った。いずれの症例も感染徴候は認めず、良好な経過が得られた。
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