画像診断
成長期腰椎分離症 MRIの輝度変化を伴わない初期型分離
小林 良充
1
,
船越 雄誠
,
滝 正徳
,
尾藤 晴彦
,
桐村 憲吾
1聖隷浜松病院 スポーツ整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
スポーツ障害
,
脊椎分離症
,
X線CT
,
分類
,
腰椎
,
輝度
,
運動選手
Keyword:
Athletic Injuries
,
Classification
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Radiography
,
Spondylolysis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Athletes
pp.554-559
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017277060
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成長期腰椎分離症(腰椎疲労骨折)では、MRIにおいて骨髄の浮腫を表わすとされる輝度変化の有無によって分離発生の初期であるか否かが判断され、骨癒合を目的とした保存的治療を行う際の指標となる。CT検査で初期の分離と診断された症例では通常MRIの輝度変化も認められるが、輝度変化を伴わないケースも散見され、その解釈が問題となっている。今回、このようなケース20例のCT・MRI所見について詳細な分析を行った結果、骨髄の輝度変化がない不全分離は骨癒合後の痕跡であると推測された。また、骨髄の輝度変化が消失するのは、偽関節化傾向にあるか、もしくは骨癒合しつつある状況と考えられ、両者は真逆の経過であるが、その判別はMRIでは困難であり、分離部の骨癒合を目的とした治療を行う際にはCT等による経時的観察が必要と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017