バイオメカニクス
非円形ネックの可動域を求める数式使用による円形断面,前後切除非円形断面,楕円形断面,特異的形状断面のネックでの可動域の比較
吉峰 史博
1
,
林 俊吉
,
池上 健
,
箱崎 彰裕
,
伊藤 薫子
1東京都保健医療公社大久保病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
人工股関節
,
股関節置換術
,
外転運動
,
断面積
,
内転運動
Keyword:
Hip Prosthesis
,
Range of Motion, Articular
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.991-996
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339908
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Truncatedネックの断面積(114mm2)と同等の楕円形ネックおよび円形ネック、Centpillarネックの断面積(78.5mm2)と同等の楕円形ネックおよび円形ネックを対象として、Ellisonの非円形断面ネックでの可動域を求める数式を使用し、屈曲・伸展・外旋・90°屈曲位内旋において左股関節外側からみて反時計回りの角度が0~360°までの最小値である真の可動域と、インピンジ点を求めた。断面積が同じ3種のネックでは可動域の違いは少なく、断面積が114mm2の3種のネックでの可動域に比較し、断面積78.5mm2の3種のネックでは、ネック径が細い分だけ全可動域で5~10°可動域が大きかった。カップ径・ヘッド径も含めた人工股関節全体の可動域、ネックステム角およびカップ・ネック設置位置の全体としてのバランスが大きな可動域維持に重要であると考えられた。またEllisonの数式はネック形状に関係なく可動域が計算でき、ネック形状の効果の検討に有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015